鋼の高級スポーツという1970年代の潮流
1972年、オーデマ ピゲがロイヤルオークを発表する。鋼でありながら高級時計として売り出す発想は、当時としては異例であった。続いてパテック フィリップのノーチラス、IWCのインヂュニアSLが現れ、一体型ブレスレットのスポーツウォッチという新しいジャンルが形づくられる。いずれもデザイナーのジェラルド・ジェンタが関与し、角の立ったケースと一体化したブレスレットを共通言語とした。
ニヴァダ・グレンヘンがこの潮流に応えたのが、1977年のF77である。八角形ベゼル、角張ったケース、鋼の一体型ブレスレット。先行する高級機の語彙を備えつつ、F77は工具時計の系譜にあるブランドらしく、実用品としての性格を残した。高嶺の花であった鋼製スポーツを、より身近にする狙いがあったとされる。