2005年、静かな業界に投じられた一石
2000年代半ばの時計業界は、各社が自社の文書庫を掘り起こし、往年の名作を復刻することに傾いていた。意匠の語彙は親しみやすく、変化は穏やかだった。そこに2005年のバーゼルワールドで投じられたのがビッグ・バンである。ジャン-クロード・ビバーの指揮のもと、ウブロは鋼やローズゴールドにセラミック、ケブラー、ラバーを重ねた44.5mmのクロノグラフを発表した。発表と同時に賛否を呼び、その年のジュネーブ・グランプリでデザイン賞を受けている。
初代のRef. 301.SB.131.RXは、突如現れた異形ではない。丸いベゼル、むき出しのビス、ラバーストラップという要素は、1980年にカルロ・クロッコが手がけた初代ウブロにすでにあった。ビバーはその素材を組み合わせる発想を受け継ぎ、より大胆なケース構造へと翻訳した。心臓部にはバルジュー/ETA 7750をベースとするHUB44を据え、ラ・ジュー・ペレと協業して仕立てたとされる。