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HUBLOT · SERIES

Big Bang

ビッグ・バン

2005年、異素材の積層とむき出しの構造で、ラグジュアリースポーツの語法を揺さぶったクロノグラフ

01 — 概要 / SUMMARY

ビッグ・バンは、2005年にウブロが発表したクロノグラフのシリーズである。創業者カルロ・クロッコが1980年に打ち出した、金とラバーを組み合わせる「フュージョン」の発想を、ジャン-クロード・ビバーが積層ケースと44.5mmの大径で増幅した。金属にファイバーグラス、ラバー、セラミックを重ねる手法は賛否を呼んだ。2010年には初の自社製クロノグラフ「ウニコ」を得て、オールブラック、マジックゴールド、一体型ブレスレットのインテグラル、手巻のメカ-10などへ枝分かれし、ウブロの旗艦であり続けている。

02 — STORY · 物語

Big Bang(ビッグ・バン)、これまでの軌跡

The story of this series
01

2005年、積み上げられたクロノグラフ

ビッグ・バンの源流は、1980年に創業者カルロ・クロッコが送り出した最初のウブロにある。舷窓を思わせるベゼルと、金のケースにラバーストラップを組み合わせる前例のない発想は、時計に異素材を融合させるという考え方の出発点となった。とはいえ2000年代初めのウブロは、創業時の着想を更新できずにいた。そこでクロッコが招いたのが、ジャン-クロード・ビバーである。

ビバーが最初に取り組んだのは、ブランドを象徴する新しい意匠だった。2005年に発表されたビッグ・バンは、スティールまたはゴールドの金属にファイバーグラス、ラバー、セラミックを重ねた44.5mmのクロノグラフで、カーボンファイバーを思わせる市松模様の文字盤に赤を差していた。当時としても大きなケースと過剰なまでに造形されたケースは、あらゆる反応を呼んだ。初期の機械は調達品で、ビバーによればETAバルジュー7750を手本とし、ラ・ジュー・ペレが製造したものだったという。

02

素材をめぐる実験

ビッグ・バンの個性は、まず素材に現れた。2006年には全身を黒で覆うオールブラックが登場し、視認性という時計の伝統的な価値にあえて逆らう「見えない視認性」を打ち出した。2011年には、セラミックの硬さとゴールドの輝きを併せ持つ18Kゴールド合金マジックゴールドを発表し、世界初の傷に強いゴールド合金と位置づけた。色付きセラミックの開発も進み、赤いセラミックは2018年に開発された初期の色のひとつである。プラチナを加えて色味と硬さを整えた独自の金合金キングゴールドも、このシリーズの定番素材となった。

03

ウニコ — 機械を見せる

調達ムーブメントからの脱却も進んだ。2010年、ウブロは初の自社製ムーブメントであるウニコ(HUB1240)を発表する。コラムホイールと水平の二重クラッチを文字盤側に配したフライバッククロノグラフで、振動数は毎時28,800振動(4Hz)、パワーリザーブは72時間である。同年に複雑機構の製造会社BNBコンセプトが破綻し、ウブロがその人員を迎え入れたことも、自社製化を後押しした。2018年には、ウニコはより薄く性能を高めた一体型の第2世代(HUB1280)へ改められている。

2016年には、オールブラック10周年の限定版として手巻のメカ-10が登場した。2本の香箱を並列につなぎ、約10日間のパワーリザーブを持つ。地板と大きな直線の受けで構成した機械を正面に露出させる設計で、2025年には42mmケースに合わせて再設計された。

04

一体型ブレスレットという回答

2020年、ビッグ・バンは登場から15年で初めて一体型の金属ブレスレットを得た。インテグラル(Ref.451.NX.1170.NX ほか)は、ブレスの最初の駒をケースと一体にし、ケースとブレスを同じ素材で仕立てる。ケース径は42mmで、ウニコを積む。一体型ブレスレットのラグジュアリースポーツは、ジェラルド・ジェンタが手がけたロイヤルオークやノーチラスが切り開いた領域だが、ウブロは6本のH型ビスと積層ケースという自らの語法のまま、そこへ加わった。

05

20年の節目と、すべてをウニコへ

2025年には、20周年を記念する5本の限定版が発表された。初代のつまんだようなラグとローレット加工のベゼル、市松模様の文字盤を43mmのケースで再現し、ウニコのHUB1280を収めたものである。2026年には、同じ43mmケースで初代の意匠を受け継ぐビッグ・バン オリジナル ウニコが常設のコレクションとして加わり、ビッグ・バンはすべて自社製のウニコで動くことになった。

同年には、44mmのビッグ・バン ウニコ リローデッドも登場した。文字盤の構成を改め、コラムホイールと振動ピニオンを色で強調し、日付を4時半へ移した。素材から始まったシリーズは、20年を経て機械そのものを語る段階へと進んでいる。

03 — DESIGN · 設計思想

意匠を貫く設計言語

What this series guards, and what it lets change

ビッグ・バンの設計を貫くのは、ケースを層として積み上げるサンドウィッチ構造である。ベゼル、ケースミドル、裏蓋を別々の部材として重ね、側面に断面を見せる。ケースの両脇には張り出した「耳」状の造形があり、6本のH型ビスがベゼルを留める。要素を隠さず、組み立ての論理を表に出すことが、このシリーズの基本姿勢といえる。

素材は装飾ではなく、設計の主題そのものである。金属とファイバーグラス、セラミックとラバー、カーボンといった性質の異なる素材を対比させ、その質感差を意匠の核に据える。ケースミドルとベゼルの間に挟むラバー複合素材のインサートも、色と質感のコントラストを生む構成要素として扱われてきた。マジックゴールドやキングゴールド、色付きセラミックのように、素材を自ら開発して投入する点に、このシリーズの一貫した思想が表れている。

「見せる」という発想は、外装から機械へと広がった。むき出しのビスで構造を見せたのと同じ論理で、ウニコはコラムホイールとクラッチを文字盤側に配し、機構を正面から眺められるようにした。メカ-10もテンプを表側に置いている。機械を裏に隠さない設計は、ビッグ・バンが何を価値とするかをそのまま映している。

変えなかったものも明快である。丸いベゼルと6本のビス、積層ケース、ラバーストラップ、そして大ぶりなサイズ。これらの組み合わせは20年を通じて保たれ、素材やサイズが変わっても一目でビッグ・バンと分かる輪郭を支えている。ストラップを工具なしで交換できるワンクリック機構も、使う場面での自由度を意匠に織り込んだ判断である。

同時代のラグジュアリースポーツが端正な一体型ブレスレットや控えめな復刻へ向かうなかで、ビッグ・バンは大きさと素材の対比、構造の露出をあえて選んだ。派手さを抑えるのではなく、構築の力強さを前面に出す。その態度こそが、このシリーズの輪郭を競合と分けている。

04 — MOVEMENT EVOLUTION

ムーブメントの変遷

Calibers across the decades
2005-
調達のクロノグラフ(7750系)
7750を手本とし外部で製造された初期の機械。
2010-2018
UNICO HUB1240
初の自社製フライバック、機構を文字盤側に配置。
2016-
MECA-10
手巻・約10日巻、2香箱を並列に配した機械。
2018-
UNICO HUB1280
薄型化し一体型にした第2世代、72時間。
05 — REFERENCE EVOLUTION

Ref. 変遷

Reference generations
2005-

初代ビッグ・バン

ビッグ・バン 44.5mm
金属にファイバーグラス、ラバー、セラミックを重ねた44.5mm。
2006-

オールブラックの登場

オールブラック
黒一色で見えにくさを意匠にした派生。
2010-

自社製ウニコ世代

ビッグ・バン ウニコ
自社製フライバックを文字盤側に露出させた世代。
2020-

ビッグ・バン インテグラル

451.NX.1170.NX 系
初の一体型金属ブレスを備えた42mm。15周年。
2025-2026

初代意匠の43mm

20周年限定 オリジナル ウニコ
初代の意匠とウニコを組み合わせ、2026年に常設化。
2026-

リローデッド世代

ウニコ リローデッド
文字盤を改め、機構を色で強調した44mm。
Sources

出典

本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。

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06 — ALL REFERENCES

このシリーズの全 2 モデル

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