女性用時計に、本物の機械式を
グラスヒュッテ・オリジナルが現在の姿になったのは1990年、ドイツ再統一の前後である。2000年にスワッチグループの傘下に入り、自社製ムーブメントを軸とするマニュファクチュールとしての体制を固めていった。その整備が一段落した2000年代後半、ブランドは一つの空白に目を向ける。女性用ウォッチである。
当時、高級時計の女性向けモデルはクォーツか、宝飾を主役に据えたジュエリーウォッチが主流だった。機械式であっても、メンズモデルを小さくしただけの設計が少なくない。グラスヒュッテ・オリジナルはここで、女性のために設計した機械式という方針を選ぶ。2007年に発表されたレディースコレクションがその答えであり、その中核に置かれたのがレディ・セレナーデである。
セレナーデ(小夜曲)という名のとおり、過度な主張を避けた端正なラウンドのドレスウォッチ。心臓部には自社製自動巻きキャリバー39-22が収まる。スワンネック緩急調整やスケルトナイズドローターといった、グラスヒュッテ仕立ての仕上げを、女性用の小さなケースでも省かなかった。