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用語 / TERM · Silicon Hairspring

シリコンヒゲゼンマイ

単結晶シリコンから削り出されたヒゲゼンマイ。非磁性かつ温度変化に強い

シリコンヒゲゼンマイ(Silicon Hairspring)とは、単結晶シリコンを材料とするヒゲゼンマイである。テンプとともに腕時計の調速機を構成し、振動周期を司る心臓部の部品にあたる。

製造には DRIE(Deep Reactive Ion Etching、深掘り反応性イオンエッチング)と呼ばれる半導体由来の微細加工技術が用いられ、シリコンウェハから直接エッチングで形状を成型する。シリコンは非磁性であり、表面に薄い酸化膜を形成することで温度変化に対する弾性率の変動を補正できる。鋼の約3分の1の密度で軽く、潤滑も不要となる。

腕時計部品へのシリコン応用は、2001年のユリス・ナルダン「フリーク」が嚆矢とされる。ヒゲゼンマイへの応用は、2006年にパテック フィリップが「スピロマックス」、ブレゲがクラシック5197で発表し、以降オメガ「Si14」(2008年)、ロレックス「シロキシ」(2014年)へと広がった。

一方、材料そのものは脆く、合金製のように曲げて姿勢差を調整することはできない。破損時は丸ごと交換となり、修理は基本的にブランドの製造設備に依存する。