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CALIBER · FP JOURNE

1300.3 NOD

自動巻 Automatic Analog

FPジュルヌ初の自動巻にして、5日間の動力を単一香箱に宿す。片方向巻きへ進化したオクタの基幹機

OVERVIEW · 概要

オクタ キャリバー 1300.3 は、フランソワ=ポール・ジュルヌが2001年に発表したブランド初の自動巻を起源とする、自社製の基幹ムーブメントである。振動数21,600vph (3Hz)、120時間(実効160時間±12時間)の長時間駆動を単一香箱で実現し、石数は37石を数える。偏心配置の22Kゴールド製ローターによる片方向巻き上げと、フリースプラングの大型テンプを核とする。中央時分と日付を備えたオクタ・ディヴァインをはじめ、オートマティーク・リュンヌやUTCなど、ブランドの自動巻ライン全体を支える。

SPECIFICATIONS · 仕様
MakerFP Journe
Reference1300.3 NOD
TypeAutomatic
DisplayAnalog
Frequency21,600 bph (3 Hz)
Jewels37 石
Power reserve160 h
Movement ⌀30.8 mm
HandsHours, Minutes, Small Seconds
DateBig Date
AstronomicalMoonphase
AdditionalPower Reserve Indicator
EDITORIAL · 編纂

系譜と歴史

Genealogy & history

オクタの誕生

1999年に独立時計師としてブランドを構えたフランソワ=ポール・ジュルヌは、2001年、自身初の自動巻ムーブメントとしてオクタを発表した。設計には3つの目標が据えられた。クロノメーターと呼べる高精度、長大な動力貯蔵、そして装着者のわずかな動きでも巻き上がる効率である。なかでも特徴的なのは、複雑機構を変えても同一のケース径を保つという設計思想であった。オクタは大きな日付表示を備えた最初の自動巻として登場し、以後のブランドの中核を担うこととなる。

三世代の歩み

オクタの基幹キャリバーは、20年あまりの間に大きく3つの世代を経た。2001年の初代1300はロジウム被覆の真鍮製で、両方向巻き上げを採用していた。2004年頃、地板とブリッジが18Kローズゴールドへと改められ、これが第2世代の1300.2となる。そして2007年、巻き上げ方式が片方向へと変更され、現行の1300.3が生まれた。この変更には逸話が伝わる。机に向かう仕事で右手をあまり動かさない友人の時計が、十分に巻き上がっていなかった。ジュルヌはこの観察から、座り仕事の装着者でもゼンマイを素早く張れる片方向巻きへと舵を切ったとされる。

派生プラットフォームとしての広がり

オクタの真価は、単一の土台から多様な複雑機構を生み出す柔軟性にある。同じ寸法の機械を母体に、パワーリザーブ表示、ムーンフェイズ、年次カレンダー、永久カレンダー、クロノグラフ、第二時間帯表示といった派生が展開された。本稿が扱う1300.3 NODは、そのうち中央時分と日付を備えた端正なオクタ・ディヴァイン(Nouvelle Octa Divine)に対応する仕様である。長時間駆動の自動巻を、複雑機構ごとにケースを変えずに成立させる発想は、同時代の他社が微動ローターや全回転ローターで挑んだ課題に対する、ジュルヌ独自の回答であった。ジュルヌが地板までも金で作る道を選んだのは、精度と耐久を長期にわたり保つためである。

MECHANISM · 機構と仕様

技術解説

Technical breakdown

香箱と動力

オクタ キャリバー 1300.3 の設計思想は、単一の香箱に収めた長大なゼンマイに集約される。香箱(ぜんまいを収める部品)内のゼンマイは全長およそ1メートル、厚さ1mmにおよぶ。この長さが、5日間に相当する120時間の精度保証と、実効160時間±12時間という長時間駆動を支える。トルクの低い長いゼンマイを用いることで巻き上げ抵抗を抑え、滑り香箱(過度の巻き上げを逃がす機構)が破断を防ぐ。満巻きから120時間後までの振り角低下は約25%にとどまる。

調速機構

調速を担うのは、緩急針を持たないフリースプラング(緩急針なしで錘により歩度を調整する方式)の大型テンプである。直径は約10.1mm、慣性モーメントは10.10mgcm²と大きく、外乱に強い。テンプには4つの慣性錘(inertia weight)が組み込まれ、これを回して歩度を微調整する。ヒゲゼンマイは平ヒゲのAnachron製で、Nivatronic製のヒゲ持ちにレーザー溶接される。可動式のヒゲ持ち(mobile stud holder)とGEスタッドを備える。振動数は21,600vph (3Hz)、揚程角は52°である。

脱進機と振り角

脱進機はスイス・アンクル脱進機(in-line lever)で、ガンギ車は15歯を持つ。満巻き時の振り角は文字盤上向きで約280°、120時間経過後でも約220°を維持する。長いゼンマイの平均トルクはおよそ850gと公表されており、この余裕が長時間駆動と振り角の維持を両立させる。

自動巻機構

巻き上げを担うのは、ムーブメント外周に置かれた偏心ローター(off-centre rotor)である。素材は22Kの5Nゴールドで、表面にはギヨシェ装飾が施される。第3世代の1300.3では巻き上げ方向が両方向から片方向へ改められ、セラミック製のボールベアリングを用いた自動係止機構(self-locking ball bearing)が採用された。24時間あたり274回転(反時計回り)という巻き上げ速度が公表されており、わずかな手首の動きも逃さず動力に変える。

素材と仕上げ

地板とブリッジは18Kローズゴールド(5N)で構成される。柔らかい金を母材に用いるのは加工難度が高い選択だが、変色や腐食に強い利点がある。仕上げはブリッジに円形のコート・ド・ジュネーブ(ジュネーブ模様)、地板に円形装飾(graining)を施し、ネジ頭は面取り溝とともに鏡面研磨される。鋼部品は手作業で面取りと研磨が施され、裏蓋のサファイアガラス越しに観察できる。

04 — CARRIERS · 搭載モデル一覧

このキャリバーを搭載する 2 本のリファレンス

This caliber appears in 2 references