「自製クロノグラフ」という長く未踏の領域
チューダーのクロノグラフ史は、1970年のRef. 7031/7032「オイスターデイト・クロノグラフ」、通称「ホームプレート」から始まる。続いて1971年に第二世代「モンテカルロ」、1976年にブランド初の自動巻クロノグラフとなる第三世代「ビッグブロック」が登場した。これらのシリーズに共通する事実は、すべて外注ムーブメント──ヴァルジュー7734、234、7750──に依存していたという点である。
姉妹ブランドであるロレックスがCal. 4130によってデイトナの自製化を完了させたのとは対照的に、チューダーは長く「自製クロノグラフ・キャリバー」を持たなかった。2010年に再始動した「ヘリテージ・クロノ」(Ref. 70330N) も、ETA 2892にデュボア・デプラのモジュールを載せた構成である。自製化は、長く先送りされてきた宿題であった。