ドーム風防という発想
カレラ グラスボックスの核心は、その風防にある。高くドーム状に立ち上がったサファイアクリスタルが「ガラス(glass)」、その箱のような高さが「ボックス(box)」を表し、二つが合わさって「グラスボックス」と呼ばれる。風防は文字盤外周のフランジに刻まれた目盛りの上を滑らかに覆い、目盛りを文字盤面から一段持ち上げて見せる。
そもそもCarreraは1963年、ジャック・ホイヤーが手がけた一本として生まれた。名はメキシコの公道レース「カレラ・パナメリカーナ」に由来する。走行中のドライバーのための視認性を最優先した、簡潔なクロノグラフであった。1960年代から1970年代の個体は、ドーム型のプラスチック(ヘサライト)風防を備えていた。グラスボックスは、その古い造形をサファイアで翻訳する試みである。