2011年、実験のための場をつくる
2005年のビッグバンで、ウブロは時計界の話題をさらった。ゴムと貴金属を組み合わせる「フュージョン」の思想は、賛否を呼びながらブランドを急成長させる。だが派手な意匠の陰で、ウブロは複雑時計を自社で開発するという課題を抱えていた。
その答えとして2010年、グランドコンプリケーション専従の技術者・開発者30名からなる集団が編成される。社内で「コンフレリ・オルロジェール」と呼ばれたこの部隊が、量産コレクションでは引き受けられない極端な発想を担うことになった。
2011年1月、ジュネーブの見本市で初代MP-01が披露される。トノー型のチタンケースに、3つの香箱を直列に連ねて10日間の駆動を得る湾曲したモノプッシャー・クロノグラフ。キャリバーHUB5100は384部品・43石で構成され、ウブロが慣れ親しんだ丸いポートホール型からの明確な離脱を示した。ジャン-クロード・ビバーはこのコレクションを「より多くの時計製造、より多くの熟達、より多くの革新」と表現している。
MPという略称には二つの読み方が併存する。発表当時の「マスターピース(傑作)」と、自社製であることを強調する「マニュファクチュール・ピース」である。番号は構想順ではなく完成順に振られるため、欠番を含む不連続な並びになっている。