1966年、天文台が認めた精度
シリーズの名は、一本の腕時計ではなく、ある達成の年に由来する。1960年代半ば、ジラール・ペルゴは自動巻機構ジャイロマティックの系列に高振動キャリバーを加えた。毎時36,000振動 (5Hz) で時を刻むこの「ジャイロマティック・クロノメーターHF」が、シリーズの精神的な起点である。
注目すべきは、その精度を証明した方法にある。同社は試作の選抜機ではなく、量産したキャリバー32Aの全数をヌーシャテル天文台の検定に提出した。662個すべてがクロノメーター規格を通過し、1966年、天文台は創立100周年を記念する賞を同社に授けた。翌1967年には、天文台が発行したクロノメーター証明書の約7割がジラール・ペルゴの高振動機に対するものだったと伝わる。
ただし「世界初の高振動ムーブメント」という同社の主張には議論がある。同時期にロンジンなど複数の製造者が高振動化を進めており、キャリバー32A自体もA.シルト社のベースに自社の巻き上げ機構を組み合わせたものだった。むしろ固有の偉業は、量産の全数を天文台検定にかけた前例のない行為にあったと言える。