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GIRARD-PERREGAUX · SERIES

1966

高振動機が天文台の百周年記念賞を得た年を名に掲げ、装飾を削いだ丸形ケースで展開するドレスウォッチ。

01 — 概要 / SUMMARY

1966は、ジラール・ペルゴの丸形ドレスウォッチのコレクションである。名は、毎時36,000振動の高振動ムーブメントによる成果に対し、1966年にヌーシャテル天文台の百周年記念賞を受けたことに由来し、発足は2006年とされる。細いベゼル、わずかにドームを描く文字盤、リーフ型の針、細身のバトンという語法を保ちながら、3針日付を中核に、クロノグラフ、年次・永久カレンダー、ミニッツリピーターまでを同じ丸形ケースに収めてきた。2015年にはステンレススティールが加わり、石の文字盤を用いた限定版も展開されている。

02 — STORY · 物語

1966、これまでの軌跡

The story of this series
01

1966年、天文台が認めた高振動機

1960年代のジラール・ペルゴは、自社に研究開発部門を持つ数少ない製造者のひとつだった。公式によれば、同社は1965年に毎時36,000振動で動く高振動ムーブメントを完成させ、ジャイロマティックHFとして1966年のバーゼル・フェアで披露した。同社はこれを初の高振動ムーブメントと位置づけている。

最初の製品はすぐにヌーシャテル天文台の検定に提出された。それまで特別に調整した機械しか通らなかった検定で、量産品が証明書を得たことが評価され、ヌーシャテル州議会は1966年、同社に天文台百周年記念賞を授けた。翌1967年、同社は662件のクロノメーター証明書を取得し、天文台がクラシック腕時計部門で発行した証明書の73%を占めた。シリーズ名の「1966」はこの受賞の年を指す。

02

名を冠した現代のコレクション

現行の1966コレクションは2006年に発足したとされ、最初のリファレンスは38mmの3針日付モデル、Ref.49525とされる。公式は、このコレクションを陳腐化を避けるよう設計したと説明し、丸い文字盤、リーフ型の針、細身のバトン、薄いケースの組み合わせを核に据える。高振動機の記念を名に掲げながら、意匠は精度を誇示せず、装飾を削る方向でまとめられた。

基幹の機械は自社製自動巻のGP3300系で、毎時28,800振動、パワーリザーブは約46時間である。直径25.60mmの薄型機で、38mmケースに対して小さいと専門誌に指摘されることもあった。2012年には41mmケースが加わり、2014年末の41mmブルー文字盤には直径約30mmのGP1800系(パワーリザーブ54時間)が使われている。

03

複雑機構への展開

2009年のSIHHでは、年次カレンダーと均時差表示を備えたモデル(Ref.49538)が発表された。表示の多い非対称の文字盤を均衡よく見せた点が、専門誌に評価されている。2010年には永久カレンダー(キャリバーGP033Q0、288部品、40mm)が、ピンクゴールドとホワイトゴールド各99本の限定で加わった。テンプには、6本の調整ネジと2個の錘で精度を微調整する同社独自の可変慣性テンプ「マイクロバー」を採用している。クロノグラフは40mmで展開され、2012年には日付を加えた42mm(GP3300をベースとするCal.3300-0057)が登場した。

2013年には、年次カレンダーと均時差の機構にミニッツリピーターを組み合わせた42mmのモデルが15本限定で発表された。手巻きのキャリバーE09-0003は419部品からなる。響きを高めるため、ケース内径とキャリバー径を合わせ、裏蓋を湾曲させて内部の空気の容積を増やし、裏蓋の内側をダイヤモンド研磨して雑音を抑える設計が採られた。

04

素材と文字盤の広がり

2014年にはピンクゴールドに深いブルーの文字盤を合わせた38mmが発表され、同社はブルーを創業者ジャン=フランソワ・ボーテ以来の伝統色と位置づけた。2015年10月には、それまで金やプラチナに限られていたコレクションに、初めてステンレススティールの40mmが加わる。38mmと41mmの中間にあたる寸法で、文字盤には5分ごとのアプライドインデックスと点のミニッツトラックが与えられた。

2019年には、ブランドのテーマ「アース・トゥ・スカイ」に合わせ、ブラックDLCのスティールケースにブルーのグラデーション文字盤を組み合わせた限定149本が登場した。2020年のジュネーブ・ウォッチ・デイズでは、オニキス文字盤のインフィニティ・エディション(40mm、188本限定)が発表され、その直前にはアベンチュリン文字盤のオリオン・トリロジーも加わっている。公式は、石、オニキス、アベンチュリン、白蝶貝の文字盤を用いたモデルを展開してきたと説明し、シャトー・ラトゥールとの協業では、小石を厚さ0.45mmまで削った文字盤を用いた。

05

変わらない語法

発足から約20年を経た現在も、1966は3針日付を中核に、ムーンフェイズやフルカレンダー、36mmや30mmの小径モデルまでを同じ語法でそろえる。名は精度の達成を記念しながら、意匠はそれを声高に語らない。時代に左右されない丸形という当初の設計意図は、文字盤の素材を変えながらも保たれている。

03 — DESIGN · 設計思想

意匠を貫く設計言語

What this series guards, and what it lets change

1966を貫く設計思想は、ひとつの逆説にまとめられる。精度の達成を記念しながら、その精度を誇示しないことである。公式は、丸い文字盤、リーフ型の針、細身のバトン、薄いケースを組み合わせ、流行に左右されないことを目指したと説明する。

ケースは全面をポリッシュで仕上げ、ラグ、ベゼル、風防、裏蓋までが緩やかな曲線でつながる。傾斜したベゼルと、中央を丸く張らせたケースサイドが、実寸より薄い印象をつくる。短く湾曲したラグは手首に沿い、ストラップはケースに密着するよう成形される。防水は30mにとどまり、水回りの道具ではなく装うための時計であることを示す。

文字盤はわずかにドームを描き、サンレイ仕上げの反射が表情を与える。金のケースでは12時にダブルバトン、3・6・9時にアプライドのバトンを置き、ほかの時位置は細いプリントにとどめる。スティールでは5分ごとのアプライドインデックスと点のミニッツトラックに改められた。日付は3時位置の小窓に収まる。装飾を足すのではなく削ることで品位を保つ姿勢は、年次カレンダーや均時差を加えたモデルでも変わらず、表示は均衡を意識して配される。

裏蓋のサファイア越しには、コート・ド・ジュネーブや面取りを施した自社製の機械が見える。ミニッツリピーターではテンプ受けを半矢印形に仕立て、同社の象徴である金の橋の矢形を想起させる。

この自制は、同時代の丸形ドレスウォッチとの対比で輪郭を得る。パテック フィリップのカラトラバやヴァシュロン・コンスタンタンのパトリモニーが純粋な美意識の系譜に立つのに対し、1966の名は高振動機と天文台の記録というブランド固有の達成に根ざす。優劣ではなく、出自の違いである。

04 — MOVEMENT EVOLUTION

ムーブメントの変遷

Calibers across the decades
1965-1960年代
ジャイロマティックHF
毎時36,000振動。シリーズ名の由来となった高振動機。
2006-現在
GP3300 系(GP03300-0030 ほか)
自社製自動巻、4Hz、約46時間。3針の基幹機。
2010
GP033Q0
永久カレンダー。288部品、マイクロバー・テンプ。
2012-
Cal. 3300-0057
GP3300ベースのクロノグラフ。42mm版に搭載。
2013
Cal. E09-0003
手巻き。リピーターと年次カレンダー、419部品。
2014-
GP1800 系(GP01800-0004)
41mm用の直径約30mm機。パワーリザーブ54時間。
05 — REFERENCE EVOLUTION

Ref. 変遷

Reference generations
2006-現在

38mmの3針日付モデル

49525
細いベゼルとドーム文字盤の語法を定めた基本形。
2009-2013

年次カレンダーと均時差

49538 ほか
2009年発表。2013年にリピーター付き42mmが登場。
2010-2012

カレンダーとクロノの拡充

永久カレンダー クロノグラフ
永久カレンダーの限定版と、日付付き42mmクロノ。
2014-2015

ブルー文字盤とスティール化

49525 49527 49555
青文字盤の38mmと41mm、2015年にスティール40mm。
2019-現在

DLCと石の文字盤の限定版

49555 系の限定版
アース・トゥ・スカイ、オニキス、アベンチュリン。
Sources

出典

本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。

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06 — ALL REFERENCES

このシリーズの全 2 モデル

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