ジェンタの遺産を継ぐ
ブルガリは1884年にローマで創業した宝飾メゾンであり、時計の分野では長く外部供給のムーブメントに頼ってきた。その立ち位置を変える転機が2000年に訪れる。時計師ジェラルド・ジェンタとダニエル・ロートの両ブランド、そしてヴァレ・ド・ジューのル・サンティエにある製造設備を取得したのである。これによりブルガリは、高級コンプリケーションを内製しうる技術基盤を一挙に手にした。オクトの名は、ブルガリ傘下のジェラルド・ジェンタのブランドが2004年に出したオクトに由来する。ジェンタ本人の設計ではないが、八角形はジェンタが好んだ形で、同ブランドが以前から用いてきたケースを更新したものであった。ジェンタはロイヤルオークやノーチラスを手がけ、高級スポーツウォッチという領域を切り開いた人物である。両者を共同ブランドとして併記した移行期を経て、2012年、ブルガリはジェンタの名を文字盤から外し、オクトを自社シリーズとして再構築した。