本文へ
Audemars Piguet · (re)Master · 2020

(re)Master01 Stainless Steel / Pink Gold / Champagne

1943年の希少クロノグラフRef.1533を現代の技術で再構築した、[Re]masterシリーズ第1作。500本限定

[Re]master01 セルフワインディング クロノグラフ(Ref.26595SR.OO.A032VE.01)は、オーデマ ピゲが2020年3月に発表した500本限定のフライバッククロノグラフである。ステンレススチール製ケースに18Kピンクゴールドのベゼル・リューズ・プッシャーを組み合わせた40mmの二色構成で、原型は1943年に販売された希少なRef.1533。ムーブメントには日付表示を持たない自社製自動巻Cal.4409を初めて搭載する。忠実な復刻ではなく、過去の意匠を現代の技術で作り直す「リマスター」を掲げ、同社のヘリテージ戦略の起点となった1本である。

Ref. 26595SR.OO.A032VE.01
発表年 2020
状態 現行品
限定 限定 500
コレクション (re)Master
カテゴリ クロノグラフ / ヘリテージ
キャリバー AP 4409
ケース径 40 mm
関連人物 ジュール=ルイ・オーデマ / エドワード=オーギュスト・ピゲ
クロノグラフ フライバック
01 — Specification

仕様

As of WatchBase sync · 2026.06.10
このモデルを比較する
Case · ケース
素材 Pink Gold, Stainless Steel
形状 Round
径 40 mm
ガラス Sapphire
裏蓋 Open
Movement · ムーブメント
キャリバー AP 4409
タイプ Automatic
振動数 28,800 bph
石数 40 石
パワーリザーブ 70 時間
Dial · 文字盤 / Hands · 針
文字盤色 Champagne
インデックス Mixed
針 Stick
i — Editorial

設計思想

Design philosophy

博物館開館の年に

2020年3月下旬、オーデマ ピゲは[Re]master01 セルフワインディング クロノグラフを発表した。同年に開館予定だったル・ブラッシュのMusée Atelier Audemars Piguetに合わせた限定モデルという位置づけである。ロイヤル オーク(1972年)の印象が強い同社だが、その歴史には広く知られていないクロノグラフの系譜がある。同社の記録によれば、1930年代から1950年代初頭までに製作された腕時計型クロノグラフは307本にとどまり、その多くが互いに異なる1点ものに近い仕様だったとされる。

中でもRef.1533は9本のみが製作され、ステンレススチールとピンクゴールドの二色ケースを持つ個体は3本と伝わる。2015年のオークションで記録的な価格で落札された1本は、現在同社のヘリテージコレクションに収まる。この個体こそが、[Re]master01の直接の原型である。

復刻ではなく「リマスター」

[Re]masterという名称は、録音物のリマスタリングになぞらえた表現である。同社はこれを復刻(リイシュー)ではないと繰り返し強調した。擬似的な経年加工で古さを演出するのではなく、過去の設計を現代の素材と製造技術で新品として作り直すという思想である。ケース径は原型の36.5mmから40mmへ拡大され、手巻のValjoux系Cal.13VZAHに代わって自社製自動巻Cal.4409が選ばれた。2019年のCODE 11.59 クロノグラフに搭載されたCal.4401から日付表示を省いた仕様で、本作がその初搭載例にあたる。

ロイヤル オーク以外の系譜に光を当てる試みは、CODE 11.59の投入と地続きにある。新作コレクションでの挑戦と並行して、アーカイブの再解釈というもう1つの回路でブランドの幅を示した点に、本作の戦略的な意味がある。

シリーズの起点として

[Re]master01は直営ブティック限定で販売され、ヘリテージ資産を製品として再構築する試みの試金石となった。2024年には、非対称ケースの5159BAを原型とするシリーズ第2作[Re]Master02(Ref.15240SG)が発表され、[Re]masterは単発の企画ではなく継続するシリーズとして確立する。その出発点に置かれた本作は、ロイヤル オークに偏りがちなブランド像に対して、アーカイブの厚みを示した最初の回答として位置づけられる。


ii — Editorial

意匠分析

Visual analysis

ケースはステンレススチール製で、ベゼル、リューズ、プッシャーのみを18Kピンクゴールドとする。原型Ref.1533の二色構成をそのまま引き継いだ配分である。大きなティアドロップ型のラグも原型に倣う。径は40mmに拡大されたが、原型自体が1940年代としては異例に大きい36.5mmだったため、拡大後もレトロな比率が保たれている。一方で厚さは14.6mmあり、大きな自動巻ムーブメントを収めた結果である。防水は20mにとどまり、性格としてはドレスクロノグラフに属する。

文字盤は金色調の仕上げで、原型の3本の二色個体のうち1本だけが持っていた金色調の文字盤に対応する。セリフを備えたインデックス、アールデコ調の「12」、そして1970年代までジュネーブに工房を構えた歴史に由来する「Genève」入りの旧ロゴを再現した。時分針は金色、クロノグラフ針はブルースチールという機能による色分けも原型に従う。一方でカウンター配置は、Valjoux 13VZAHを積んだ原型と異なるムーブメントに合わせて組み替えられた。30分計の15分の先に赤い「45」を刷る意匠は、1975年まで会長を務めたジャック=ルイ・オーデマが、サッカーのハーフタイムを計るために求めたと伝わる原型の特徴を引き継いだものである。

Cal.4409は直径32mmの自動巻フライバッククロノグラフで、コラムホイールと垂直クラッチを備える。毎時28,800振動 (4Hz)、パワーリザーブは70時間。CODE 11.59 クロノグラフに載る同系のCal.4401と異なり、日付表示を持たない。22Kピンクゴールドのローターには、手回しのローズエンジンによるクル・ド・パリのギヨシェが施される。ケース厚14.6mmの主因は、この大きなムーブメントにある。


iii — Editorial

系譜と歴史

Lineage

[Re]master01 セルフワインディング クロノグラフ(Ref.26595SR.OO.A032VE.01)は2020年3月下旬に発表され、同月末から直営ブティックで販売が始まった。発表時のラインアップは本Refのみで、シリーズ名を冠しながら単独でのデビューだった。生産数は500本。ブラウンのカーフストラップに加えて、ブラウンのアリゲーターストラップが付属する。

発表時点で、本作が合わせた同社の新しい博物館Musée Atelier Audemars Piguetは年央の開館が予定されていた。生産期間中の仕様変更は確認されておらず、500本は単一仕様で完結している。色違いや素材違いの派生Refも設定されなかった。

2024年には、非対称ケースの5159BAを原型とするシリーズ第2作[Re]Master02(Ref.15240SG)が発表され、[Re]masterは継続するシリーズとなった。26595SR.OO.A032VE.01自体は500本限定の一度きりの生産である。


Sources

出典

本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。

  1. 01 公式 Code 11.59 - Audemars Piguet 公式 · Audemars Piguet · 2026.08.15 閲覧 Audemars Piguet · 2026.08.15
  2. 02 専門メディア Audemars Piguet [Re]master01 Selfwinding Chronograph // Review 専門メディア · Monochrome Watches · 2026.10.12 閲覧 Monochrome Watches · 2026.10.12
  3. 03 専門メディア Audemars Piguet Introduces the [Re]master01 Chronograph 専門メディア · SJX Watches · 2026.10.12 閲覧 SJX Watches · 2026.10.12
02 — Price history

価格推移

2020–2021 · WatchLedger market index
2020-04-21 · EUR 53,5002020-07-02 · EUR 55,3002021-03-30 · EUR 59,600€53,500€55,025€56,550€58,075€59,6002020-042021-03

出典: WatchBase 観測価格 · 通貨タブ(JPY / USD / EUR)で系列を切替できます。

※ 上記はアフィリエイト広告です。価格・在庫は各販売サイトでご確認ください。

03 — Derivatives

同型・派生 Ref

Color · material · bracelet variants