ロイヤル オーク以前を掘り起こす
オーデマ ピゲという名は、1972年のロイヤル オークと分かちがたく結びついている。しかしブランドの歴史は1875年に始まり、ロイヤル オーク以前の約一世紀は、顧客の注文に応じて一点ずつ仕立てる時代であった。1951年まで厳密なリファレンス管理を行わなかったため、それ以前の作の多くは事実上の一点物である。
2020年、ヴァレ・ド・ジューに完成した渦巻き状のミュゼ アトリエ オーデマ ピゲ(設計はビャルケ・インゲルス・グループ)は、この埋もれた歴史を展示する場となった。(re)Master は、その所蔵品から一本を選び、現代に甦らせる試みとして始まる。名称は音楽のリマスターに由来する。原盤の構成を書き換えるのではなく、現代の再生環境に合わせて磨き直す——その姿勢が、復刻ではなく再構築という言葉に込められている。