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用語 / TERM · Detent Escapement

デテント脱進機

テンプの一方向の振動にのみインパルスを伝える、マリンクロノメーターの代表的脱進機

デテント脱進機(Detent Escapement、別名:クロノメーター脱進機)とは、デテントと呼ばれる止め具がガンギ車を保持し、テンプの往復運動のうち一方向の振動にのみインパルスを与える脱進機である。

テンプが大半の振動を脱進機から切り離されて自由に行う「デタッチド脱進機」の一種で、インパルスが直接伝わるため摩擦が少なく、衝撃面への注油を要しないという特性を持つ。一方、衝撃に弱く、停止状態から自力で再始動できない弱点も併せ持つ。

1748年にフランスのピエール・ル・ロワ(Pierre Le Roy)が原型を発表し、英国のジョン・アーノルド(John Arnold)とトーマス・アーンショウ(Thomas Earnshaw)が18世紀末に独立して実用化した。なかでもアーンショウが1780年に考案したスプリングデテント方式が定型となり、19世紀以降のマリンクロノメーターの標準機構として用いられた。

腕時計への搭載は長らく困難とされたが、2011年にウルバン・ヤーゲンセン(Urban Jürgensen)がプロトタイプを発表し、2012年のキャリバーUJS-P8で量産化された。