用語 / TERM · Co-Axial Escapement
コー・アクシャル脱進機
ジョージ・ダニエルズが考案した、滑り摩擦を低減する機械式脱進機。1999年にオメガが量産化
コー・アクシャル脱進機(Co-Axial Escapement)とは、イギリスの時計師ジョージ・ダニエルズが考案した、爪石とガンギ車の間に生じる滑り摩擦を低減するために設計された機械式脱進機である。
従来のスイスレバー脱進機が歯先の擦動でアンクルへエネルギーを伝えるのに対し、本機構は同軸上に重ねた二段のガンギ車と、三つの爪石を備えるアンクルを組み合わせる。伝達動作の大半が半径方向の押し当てに置き換わり、衝撃角が浅くなることで、摺動距離と潤滑油への依存が抑えられる。
1974年に原型が考案され、1980年に特許登録された。長く工業化に至らなかったが、1999年にオメガが De Ville Co-Axial 限定モデルにキャリバー2500として量産投入し、以後同社の機械式時計の中核脱進機となる。現在はキャリバー8800、8900、3861などに搭載され、Master Chronometer 認定の精度基準を支える要素として位置付けられる。