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CALIBER · CHRONOMATIC GROUP

Chronomatic 12

自動巻 Automatic Analog

自動巻クロノ黎明期の共同開発体が磨き上げた、21,600vph化の基幹キャリバー 12

OVERVIEW · 概要

キャリバー 12は、1971年に登場したモジュール式の自動巻クロノグラフである。Heuer・Breitling・Hamilton-Büren・Dubois-Déprazの四者がProject 99の名で共同開発したキャリバー 11を母体とし、振動数を21,600vph (3Hz)へ高めた改良世代にあたる。Bürenのマイクロローター自動巻機構を土台に、Dubois-Déprazのクロノグラフモジュールを背面へ重ねる構造を採る。17石、パワーリザーブ約42時間。竜頭が左側に位置する特異な姿で知られ、Heuerのモナコやカレラ、Breitlingのクロノマットなどを駆動した。

SPECIFICATIONS · 仕様
MakerChronomatic Group
ReferenceChronomatic 12
TypeAutomatic
DisplayAnalog
Frequency21,600 bph (3 Hz)
Jewels17 石
Power reserve42 h
Movement ⌀31 mm
HandsHours, Minutes
ChronographChronograph
EDITORIAL · 編纂

系譜と歴史

Genealogy & history

自動巻クロノグラフ競争とProject 99

手巻クロノグラフが長く主流だった時計界で、1960年代に自動巻化を競う開発競争が起きる。その一翼を担ったのが、本キャリバーを生んだ共同開発体である。発端は1965年末、薄型化に有利なマイクロローターを母機に据える着想であった。クロノグラフ専業のDubois-DéprazのGérald Dubois が、マイクロローターを量産していたBürenのHans Kocher に協力を求める。そこへ、クロノグラフを主力とするHeuerのJack Heuer 、次いでBreitlingのWilly Breitling が資金面の協力者として加わった。1966年2月2日に協定が結ばれ、Hamilton-Bürenを含む四者体制が成立する。機密保持のため、開発はProject 99の暗号名で進められた。

Bürenが母機を、Dubois-Déprazがクロノグラフ機構を担い、Heuer・Breitling・Hamiltonの三ブランドが自社の時計へ搭載する分業であった。特許出願は1967年9月、1968年末には約100個の先行量産機が組まれる。そして1969年3月3日、ニューヨークとジュネーブで同時に発表会が開かれた。同年、Zenithは高振動の一体型El Primeroを1月に発表し、Seikoも一体型のキャリバー6139を世に出している。いずれが世界初かは長く議論が続く主題であり、本稿は優劣ではなく、三者がほぼ同時期に到達した事実として記す。

キャリバー 11から12への改良

短期開発ゆえ、初代キャリバー 11は市場投入後に細部の調整を重ねた。早い段階で香箱ばねのトルクを抑え、日送り機構を緩やかな送りへ改め、滑り噛み合いの振りカナを鋼製とする手直しが施される。これらを反映した改良型がキャリバー 11-Iと呼ばれる。

1971年、この系譜に21,600vph (3Hz)へ高振動化したキャリバー 12が加わる。先代の19,800vphから振動数を引き上げ、香箱ばねをより強いものへ替え、輪列とテンプを新たな振動数へ最適化した。始動・停止を司るハンマーの形状も見直され、衝撃への耐性が高められている。キャリバー 12はファミリーの主力となり、1980年頃まで生産された。

ファミリーの展開と継承

このモジュール構造は派生を生みやすく、複数の姉妹キャリバーへ広がった。スモールセコンドを備えるキャリバー 13は試作に留まったが、1972年にはGMT機能を加えたキャリバー 14、12時間積算計を小秒針へ置き換えたキャリバー 15が登場する。1974年のキャリバー 7740は、母機をValjoux製の手巻に替えた変種で、28,800vphで作動し、竜頭は通常の右側へ戻された。母機を共有する設計は、当初の四者を越えてBulovaやZodiacなどにも採用され、El PrimeroやSeiko 6139と並び、自動巻クロノグラフの礎の一つとなった。

MECHANISM · 機構と仕様

技術解説

Technical breakdown

モジュール構造とマイクロローター

キャリバー 12の核心は、時計の心臓部と計時機構を分けて重ねるモジュール構造にある。土台となる母機は、Büren製のマイクロローター自動巻である。マイクロローターとは、巻き上げ用の半月状の重り(ローター)を地板内へ埋め込み、全面ローターのように機械の背面を覆わない方式を指す。これにより機械を薄く保てる点が、母機選定の決め手であった。Bürenはこの方式を早くから手がけ、量産化の知見を蓄えていた。ローターは両方向の動きを巻き上げへ変換し、限られた質量でも効率よくゼンマイを蓄える。

クロノグラフは、この母機の背面へDubois-Déprazのモジュールを重ねて構成する。母機をローターが文字盤側を向く向きで用い、空いた背面側へ計時機構を載せる発想である。母機とモジュールは、起動のたびに歯車へ噛み合う振りカナ(オシレーティングピニオン)で連結される。この連結方式自体はEdouard Heuer が1887年に考案した古典だが、モジュールを上に載せる配置に合わせて再設計された。

左竜頭とふたつ目の文字盤

計時機構を母機の上へ重ねた結果、操作ボタンと竜頭が機械の左右へ振り分けられた。プッシュボタンが右側、竜頭が左の9時位置へ移るこの配置は、本ファミリーを一目で見分けさせる象徴的な特徴である。文字盤は、3時位置に30分積算計、9時位置に12時間積算計を備えるふたつ目構成で、日付は6時位置に表示される。スモールセコンドは持たない。

計時機構の制御には、コラムホイール(柱歯車)ではなくカムとレバーによる切り替えを用いる。カム式は構造が比較的単純で量産に向く方式であり、柱歯車式とは設計思想の異なる選択といえる。なお地板は金色の仕上げとされることが多く、ニッケルシルバー色の先代と見分ける手がかりになる。

調速と精度

振動数21,600vph (3Hz)は、テンプが1秒間に6回振れることを意味する。先代の19,800vphからの高振動化は、姿勢差に強く安定した精度を狙ったもので、当時の業界が高振動へ向かう流れにも沿う。テンプには、ベリリウム銅合金で温度変化に強いグリュシデュール製を採り、耐衝撃機構にはアンクル受けにインカブロックを備える。緩急の微調整には、Büren系のイソクロン式微調整機構を用い、ふたつの偏心ねじでヒゲ持ちと緩急針を精密に動かせる。緩急針を往復させる従来の調整より、狙った精度へ追い込みやすいとされる。単一香箱から得られるパワーリザーブは約42時間である。

04 — CARRIERS · 搭載モデル一覧

このキャリバーを搭載する 1 本のリファレンス

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