1970年代、ラグジュアリースポーツの夜明け
1755年創業のヴァシュロン・コンスタンタンが最も得意としてきたのは、複雑機構を備えた金無垢のドレスウォッチだった。だが1970年代、業界はクォーツショックに揺さぶられる。同時期にオーデマ ピゲがロイヤルオーク(1972年)、パテック フィリップがノーチラス(1976年)を発表し、ステンレススチール製ラグジュアリースポーツウォッチという新しい鉱脈が掘り当てられていた。
ヴァシュロン・コンスタンタンが応えたのは1977年、創業222周年を機に発表したリファレンス222である。当時の若手デザイナー、ヨルク・ヘイセック(Jörg Hysek)が設計したこのモデルは、トノー型のモノブロックケース、一体型ブレスレット、円周に切り欠きを刻んだベゼルを備えていた。5時位置に小さなマルタ十字が埋め込まれている。これが後年、Overseasコレクションを貫く視覚的な印となる。ムーブメントはCal. 1121で、ジャガー・ルクルトCal. 920をベースとした極薄自動巻きである。222は1980年代半ばまで生産され、その後333、Phidiasといった派生モデルを経て、いったん表舞台から姿を消す。