クロノグラフ専業が築いた「三つ目」
ユニバーサル・ジュネーブは1894年の創業以来、クロノグラフの設計と製造で名を上げた数少ないメーカーである。同社は2つのプッシュボタンを備えた近代的なクロノグラフの先駆けの一つとされ、1930年代には複雑時計の独自体系を築いていく。
その出発点が、2カウンター式の「Compur」と、それを発展させた3カウンター式の「Compax」であった。1936年に登場したCompaxは、走秒・30分積算計に加え、12時間積算計を第三のカウンターとして備える。ブランドはこれを12時間計を持つ最初の腕時計用クロノグラフと位置づけている。同年には2カウンター式がUni-Compaxとして整理され、のちのTri-CompaxやAero-Compaxを束ねる呼称体系が定まった。
これらのキャリバーは、ル・ポン=ド=マルテルにあったマーテル(ペラトン家)の工場で造られた。コラムホイールとオシレーティングピニオンによる伝統的な構造で、毎時18,000振動 (2.5Hz)。半世紀にわたり生産が続く、息の長い設計であった。