1954年、名を持つ最初の時計
Longinesが「Conquest」の名をベルンのスイス連邦知的財産庁に登録したのは1954年である。この名は、同社が個々の時計に固有の名称を与え、製品ファミリーとして展開していく戦略の出発点となった。型番で管理されてきた時計が、名前を持つ。Conquestはその最初の一本だった。
初代のRef. 9001は直径35mmの円形ケースに、防水性と耐衝撃性を備えた三針時計である。心臓部には自社製自動巻Cal.19ASを積んだ。毎時18,000振動 (2.5Hz)、19石のこの機械は、約39時間のパワーリザーブを持つとされ、後年までLongines屈指の自動巻と評される。意匠の核は裏蓋にあった。水中を泳ぐ魚をかたどったエナメルのメダリオンがはめ込まれ、防水と堅牢性を備えた日常の時計という性格を、この一点が物語っていた。堅牢さと品位を両立した点で、同時代のオメガ シーマスターやコンステレーションと同じ地平に立つ一本である。