クォーツで時代の先頭に立つ
1970年代のスイス時計産業は、クォーツという新技術の到来に揺れていた。多くのメーカーが機械式の存続をめぐって守勢に回るなか、ジラール・ペルゴはむしろ攻めに出ていた。1966年に電子研究部門を設け、1971年には毎秒32,768Hzで振動するクォーツキャリバーGP350を完成させている。この振動数は、のちに全世界のクォーツ時計が採用する標準となった。
1975年に登場した初代ロレアートは、この技術的優位の上に立っていた。GP350系を洗練させた自社製クォーツを心臓に据え、しかもCOSC(スイス公式クロノメーター検定機関)の認定を取得していた。同じ時期、整然とした幾何学と一体型ブレスを持つ高級スポーツウォッチが新しい潮流を作りつつあった。1972年のロイヤルオークが口火を切り、ノーチラスの登場は翌1976年。ロレアートは、その只中に置かれた一本だった。