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CHOPARD · SERIES

Classic Racing

クラシック・レーシング

1988年から続くMille Miglia公式計時を出発点に、ヴィンテージ・レーシングの記憶を腕に刻んできたショパールのスポーツ系譜

42 mm
01 — 概要 / SUMMARY

Classic Racingは、ショパールが1988年にイタリアのクラシックカー・レース「Mille Miglia」の公式計時とワールドスポンサーへ就任したことを起点とするスポーツウォッチの系譜である。共同社長カール=フリードリヒ・ショイフェレの自動車愛から生まれ、競技車の意匠を腕時計へ翻訳してきた。現行の中心は、小径化されたMille Miglia Classic Chronographと、燃料計風のパワーリザーブを備えるMille Miglia GTS。派生として、モナコの市街地サーキットに着想したGrand Prix de Monaco Historiqueを擁する。

02 — STORY · 物語

Classic Racing(クラシック・レーシング)、これまでの軌跡

The story of this series
01

1987年、ブレシアでの出会い

ショパール共同社長カール=フリードリヒ・ショイフェレは、1987年にイタリアを訪れ、ある光景に魅入られた。Mille Miglia——1927年から1957年まで開催された、ブレシア発ローマ往復、全長およそ1,000マイル(約1,600km)の公道耐久レースである。エンツォ・フェラーリが「世界で最も美しいレース」と呼んだこの催しは、1957年の事故を機に一度途絶え、1977年に往年の出場車だけが走る規則性走行ラリーとして復活していた。

父から受け継いだ自動車への情熱を持つショイフェレは、ここに腕時計ブランドが寄り添う余地を見いだす。提案は単純だった。多額のスポンサー料を払う代わりに、出場者全員へショパールの時計を贈る——。1988年、ショパールはMille Migliaの公式計時とワールドスポンサーへ就任し、以後この関係は続く。腕時計ブランドと主要モータースポーツの提携としては、最も長く続くものの一つとされる。

ショイフェレ自身も1989年以降、毎年このレースへ出走してきた。初期は1955年型メルセデス・ベンツ300SLガルウィング、後年はポルシェ550スパイダーRSのステアリングを握り、競技での走行距離は3万マイル(約4万8,000km)を超えると伝わる。Classic Racingは、こうした当事者性の上に立つコレクションである。

02

競技者だけの時計から、コレクションへ

最初のMille Migliaは1988年のRef. 8141。'1000 Miglia'の文字を固定ベゼルに刻んだ小型のクォーツ・クロノグラフで、ケース径は小ぶりだった。出場者への贈呈品であり、市場に並ぶ製品ではない。1989年にはキーリング、1992年にはカフリンクスが時計の代わりに作られた年もあったが、それ以外の年は新作の時計が用意され続けた。

転機は1997年である。この年、Mille Migliaは自動巻の機械式へ移行し、同時に一般販売も始まった。競技者だけの記念品から、誰もが買えるスポーツウォッチへと性格を変えたのである。1990年代には、ヴィンテージのダンロップ製タイヤトレッドを写したラバーストラップが導入された。導入年は資料により1994年とも1998年とも伝わるが、以後このストラップはMille Migliaを一目で識別させる記号となった。

03

Superfast——自社製ムーブメントとモダン路線

2012年、ショパールはClassic Racingに新たな枝を加える。Superfastである。それまでのMille Migliaがヴィンテージカーの郷愁を描いてきたのに対し、Superfastは現代のレーシングカーを思わせる、硬質で大ぶりな造形を採った。冷却フィンを模したケースサイド、リベットを打ったベゼル。意匠は明らかにエンジンルームを参照していた。

より重要だったのは中身である。Superfastには、ショパールが2008年に設立したフルリエ・エボーシュ製の自社キャリバーが搭載された。自動巻のCal. 01.01-Mと、コラムホイールとフライバック機能を備えるクロノグラフCal. 03.05-M。いずれもCOSC認定で約60時間のパワーリザーブを持ち、長く外部調達に頼ってきたClassic Racingにとって、自製化への明確な一歩だった。

04

モナコへの拡張——Grand Prix de Monaco Historique

ショパールのモータースポーツとの結びつきは、Mille Migliaだけにとどまらない。2002年、同社はモナコの市街地サーキットで隔年開催される歴史的レーシングカーの祭典、Grand Prix de Monaco Historiqueの公式計時へ就任した。F1モナコグランプリと同じ路面を、1920年代から1980年代の往年のレーシングカーが走るこの催しに、ショパールは2010年代に専用の時計を投入する。

2014年のChrono(Ref. 168570-3001)に代表されるこの派生は、Mille Migliaよりも大胆な配色と造形を許された。落ち着いたヴィンテージ・トーンを基調とするMille Migliaに対し、Grand Prix de Monaco Historiqueはサーキットの熱を映す色彩を持つ。同じClassic Racingの傘の下で、二つのレース文化が異なる表情を与えられている。

05

GTSと現代の到達点

2015年、Mille Migliaは大きく刷新される。Gran Turismo Sportを略したGTSの登場である。バーゼルワールドで発表された三機種のうち、パワーリザーブ表示を備えるMille Miglia GTS Power Controlには、Cal. 01.08-Cが収められた。Mille Migliaの歴史で初めて、自社製ムーブメントを搭載した瞬間である。9時位置のパワーリザーブ計は1950年代の燃料計を模し、シリーズの自動車的語彙を象徴する意匠となった。

2023年には、Classic Chronographが従来の42mmから40.5mmへ小径化され、4年を要して開発された独自鋼材Lucent Steelをまとって登場した。クラシックカーの塗色に着想した複数のダイヤル色が用意され、コレクションは原点であるヴィンテージ・レーシングの叙情へ回帰している。

2025年は、節目の年となった。Mille Miglia GTS Power Controlが、それまでの調達ムーブメントから自社製Cal. 01.02-Mへ置き換えられたのである。あわせて、1955年にメルセデス300SLRで当レースの記録を打ち立てたスターリング・モスへの敬意を込めた限定モデルも発表された。誕生から37年、Classic Racingは依然として、一台の古いレーシングカーをめぐる記憶を腕に運び続けている。

03 — DESIGN · 設計思想

意匠を貫く設計言語

What this series guards, and what it lets change

Classic Racingの設計思想は、ショパールが公式に掲げる三つの柱——視認性、精度、グリップ——に集約される。レースという実用の文脈から導かれたこの三点が、シリーズを貫く背骨である。

最も特徴的なのは、計器盤(ダッシュボード)を腕へ移すという発想である。多くのレーシングウォッチがサーキットとストップウォッチ、すなわち「計測する側」を参照するのに対し、Classic Racingが引用するのは競技車そのものの内部だ。9時位置に置かれたパワーリザーブ計は1950年代の燃料計を模し、文字盤の周縁にはタコメーターが刻まれる。大ぶりな12時と6時のアラビア数字は、往年のダッシュボードの計器を思わせる。針もインデックスも、走行中に一瞬で読めることを最優先に設計される。

触覚的な意匠も、自動車への参照で一貫する。リューズはガソリンタンクの給油口やステアリングホイールを模し、クロノグラフのプッシャーはブレーキペダルを思わせるローレット加工を施される。そして何より、ヴィンテージのダンロップ製タイヤトレッドを写したラバーストラップ。これは1990年代から続くシリーズ最大の識別子であり、近年は本革ストラップの裏側へこのパターンを移すなど、形を変えながら受け継がれている。

色彩の用い方にも思想がある。イタリアのナショナルレーシングカラーであるRosso Corsa(レーシングレッド)をはじめ、配色はクラシックカーの塗色や内装から引かれる。'1000 Miglia'の赤い矢印は、レースのルート標識を写したものだ。装飾のための色ではなく、由来を持つ色を選ぶ——この自制が、Classic Racingを単なる派手なスポーツウォッチから隔てている。

同時代の競合と比べると、輪郭はより明瞭になる。タグ・ホイヤーのカレラやモナコ、オメガのスピードマスターが描くのが「サーキットとレーサー」の世界だとすれば、Classic Racingが見つめるのは「公道を走る一台の古い名車」である。F1の速度ではなく、ヴィンテージカー文化への愛着。シリーズが認識可能な顔を保ってきたのは、この参照先を一度も手放さなかったからだ。

04 — MOVEMENT EVOLUTION

ムーブメントの変遷

Calibers across the decades
1988-1996
ETA クォーツ系
小型クォーツ・クロノグラフの時代。
1997-2011
ETA / Valjoux 7750
機械式へ移行、調達ムーブ中心。
2012-2014
Cal. 01.01-M / 03.05-M
Superfastで自社製を初導入。
2015-現在
Cal. 01.08-C / 01.02-M
GTS系の自社製主軸、約60時間。
2023-現在
ETA A322-11 系
クロノグラフは調達系を継続併用。
05 — REFERENCE EVOLUTION

Ref. 変遷

Reference generations
1988-1996

初代(クォーツ)

8141
'1000 Miglia'を冠した小型クォーツ、競技者贈呈の起点。
1997-2011

機械式・市販化

168459 系
自動巻クロノへ移行し、一般販売を開始した時代。
2012-2014

Superfast

168523-3001
自社製ムーブメントと現代的造形のモダン路線。
2014-

GP de Monaco Historique

168570-3001
モナコ市街地サーキットに着想した大胆な派生。
2015-

Mille Miglia GTS

168566-3001
燃料計風パワーリザーブを備えた現行主軸。
2023-現在

Classic Chronograph

168619-3001
40.5mmへ小径化、Lucent Steelを採用。
06 — ALL REFERENCES

このシリーズの全 1 モデル

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