デジタルが主役の時代に
G-SHOCK は 1983年の登場以来、樹脂ケースの角型デジタルを象徴としてきた。DW-5600 や DW-6900 が築いた「落としても壊れない時計」の語法は、文字盤を液晶で埋める発想と分かちがたく結びついていた。2010年に発表された GA-110 は、その語法をあえて外したところから出発する。針とデジタル表示を同居させるアナログ・デジタル機は G-SHOCK にも以前から存在したが、GA-110 が狙ったのは、針を主役に据えた大型のアナログ顔だった。若者向けモデルの主流がなおデジタルにあった時期に、針の存在感で勝負を挑む——それはブランドの重心をわずかに動かす選択でもあった。Casio 自身、この一本を進化の歴史を本格的に動かした転換点と位置づけている。