「クロノマット」という名の二重性
「クロノマット」という名は、Breitlingの歴史のなかで二度、意味を変えている。最初に現れたのは1940年代初頭であった。計算尺を備えたクロノグラフに与えられた名で、「数学のためのクロノグラフ」を含意したと伝わる。この発想は、のちのナビタイマーへと連なっていく。
名が現在の姿に近づくのは1980年代である。1984年、創業100周年に合わせて発表されたクロノマットでは、「クロノグラフ」と「自動巻」を組み合わせた語と説明されるようになった。
つまりクロノマットの名は、もとはクロノグラフを前提としていた。時刻表示のみのChronomat 36は、その名を機能ではなく系譜として受け継いだモデルである。