本文へ
CALIBER · CHOPARD

Chopard 01.01-C

自動巻 Automatic Analog

フルリエ・エボーシュが手がけ、アルパインイーグルとミッレミリアを駆動する自社製クロノメーター自動巻

OVERVIEW · 概要

Chopard 01.01-Cは、ショパール傘下のフルリエ・エボーシュが設計・製造する自社製自動巻キャリバーである。振動数は28,800vph (4Hz)、パワーリザーブは60時間、石数は31石を数える。COSC公認クロノメーターであり、秒単位の時刻合わせを可能にするストップセコンド機構を備える。表示は時・分・秒と日付に絞られ、構成は簡潔である。2012年に始動したクラシックレーシング・スーパーファスト用の01系を源流とし、ミッレミリアGTSオートマティックやインペリアーレ、2019年登場のアルパインイーグル41を支える基幹機として展開されてきた。

SPECIFICATIONS · 仕様
MakerChopard
ReferenceChopard 01.01-C
TypeAutomatic
DisplayAnalog
Frequency28,800 bph (4 Hz)
Jewels31 石
Power reserve60 h
Movement ⌀28.8 mm
HandsHours, Minutes, Seconds
DateDate
AdditionalChronometer
EDITORIAL · 編纂

系譜と歴史

Genealogy & history

自社一貫生産への道

ショパールは1860年の創業以来、宝飾と時計の双方を手がけてきた。1996年には高級時計部門としてショパール・マニュファクチュールを設立し、自社初の機械式キャリバーL.U.C 1.96を発表する。その一方で、生産量の見込めるコレクション向けには長く外部のムーブメントを用いてきた。この構図を変えたのが、2008年7月に設立されたフルリエ・エボーシュである。共同社長カール=フリードリヒ・ショイフレが主導した垂直統合の拠点であり、L.U.Cを担うマニュファクチュールとは別の施設で、量産帯の自社製ムーブメントを供給する役割を負った。

01系ムーブメントの登場

フルリエ・エボーシュ製の自社キャリバーが初めて世に出たのは、2012年のクラシックレーシング・スーパーファストである。3針日付のCalibre 01.01-M、パワーリザーブ表示を加えた01.02-M、コラムホイール式クロノグラフの03.05-Mが同時に投入された。01.01-Cは、この01.01-Mと基本設計を共有する系列に属する。文字盤レイアウトや搭載コレクションに応じて枝番と接尾辞を変えながら展開されてきた。ミッレミリアGTSオートマティックやインペリアーレ40には、日付を3時位置に置いた01.01-Cが収められている。

アルパインイーグルという表舞台

01.01-Cの存在感を決定づけたのは、2019年に発表されたアルパインイーグルである。同コレクションは、カール=フリードリヒ・ショイフレが1980年に手がけたサンモリッツを、息子カール=フリッツの提案で現代に再構築したものとされる。一体型ブレスレットを備えるラグジュアリースポーツの系譜に連なり、41mmモデルに01.01-C、36mmモデルにより小径の09.01-Cが充てられた。両径で別設計のムーブメントを用意した点に、ケースに対して過不足のない機構を収めるという同社の姿勢が表れている。

量産と仕上げの両立

フルリエ・エボーシュは、CNC加工や自動化された装飾工程を積極的に取り入れ、年産数千本規模の供給を支えてきた。手作業に多くを委ねるL.U.Cの製法とは異なる立場をとり、効率と一定の仕上げ品質を両立させる方針である。両者は優劣ではなく、担う役割の違いとして理解するのが正確だろう。COSC公認を量産帯のキャリバーにまで広げた点は、独立性と精度を同時に追う同社の方向性を映している。

MECHANISM · 機構と仕様

技術解説

Technical breakdown

調速機構とテンプ

01.01-Cの心臓部は、4本スポークのテンプである。これが毎時28,800回、すなわち4Hzで往復運動を行う。28,800vph (4Hz) という値は、現代の実用自動巻で広く採られる振動数で、外乱への復元力と消費エネルギーの均衡に優れる。ヒゲゼンマイには平ヒゲを採用する。4Hzは1秒あたり8回の振動に相当し、秒針の運びを滑らかにしつつ、姿勢差を抑える役割を果たす。調速は緩急針(レギュレーター)方式で行われ、テンプ側で調整するフリースプラング式ではない。歩度の追い込みは、ヒゲゼンマイが同心円状に呼吸するよう整えたうえで、緩急針を動かして行う。片振り(ビートエラー)が大きい場合は、ヒゲ玉の位置を調整して左右の振幅を揃える。香箱から解放されたエネルギーは輪列を経て脱進機へ伝わり、ガンギ車とアンクルが規則的な解放を担う。香箱の設計により、60時間という余裕あるパワーリザーブが確保されている。

自動巻機構と寸法

巻き上げは、重金属(タングステン系)製のローターによる自動巻である。アルパインイーグル41に収まる個体では、部分的にスケルトナイズされたローターが用いられ、地板の装飾を覗かせる。ムーブメントの直径は28.80mm、厚さは4.95mmで、41mm径のケースに対して過不足のない寸法に収められている。構成部品は207点、石数は31石を数える。石(ルビー)は摩擦の大きい軸受けに配され、摩耗を抑えて長期の安定動作を支える。時・分・中央秒に日付を加えた表示に絞られ、ハッキング秒(ストップセコンド)機構により、秒単位での時刻合わせが可能である。公表されている範囲では、シリコン製のヒゲや特別な耐磁構造を前面に出した設計ではない。堅実な調速機構と標準的な素材で精度を確保し、量産帯でCOSCを通す設計思想がうかがえる。

仕上げと認定

装飾は、フルリエ・エボーシュらしい工程設計に支えられている。地板にはペルラージュ(円を重ねて敷き詰めるサーキュラーグレイン)が施され、ブリッジにはコート・ド・ジュネーブに代えてコリマソン(渦巻き状のスネイリング)が用いられる。ブリッジの稜線には面取りが施され、ネジ頭の縁も整えられている。これらの装飾の多くは自動化された工程で付与されるが、稜線の面取りなど一部には手仕事の領域も残る。完成したムーブメントはCOSC(スイス公認クロノメーター検定協会)へ送られ、3つの温度・5つの姿勢を含む15日間の試験を経て、合格した個体だけがクロノメーターとして認定される。なお、より小径の09.01-Cはコート・ド・ジュネーブで装飾され、同じ家系のなかでも仕上げの表情を変えている。

04 — CARRIERS · 搭載モデル一覧

このキャリバーを搭載する 1 本のリファレンス

This caliber appears in 1 references