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CALIBER · AUDEMARS PIGUET

AP 7129

自動巻 Automatic Analog

ロイヤルオークの新世代基幹7121を基に、日付機構を省いて2.8mmまで薄型化した、時分表示の自動巻

OVERVIEW · 概要

Cal. 7129は、2024年に発表されたオーデマ ピゲの自社製自動巻キャリバーである。ロイヤルオーク・ジャンボに搭載される新世代基幹Cal. 7121を母体とし、日付機構を取り除いて厚さ2.8mmまで薄型化した、時分表示専用の派生機にあたる。直径29.6mm、構成部品211点、31石。毎時28,800振動 (4Hz) で動作し、単一の香箱により約52時間のパワーリザーブを備える。慣性可変テンプを横断ブリッジで両持ち支持し、22Kゴールドの透かしローターを載せる。初出は非対称ケースを継いだ[RE]Master02である。

SPECIFICATIONS · 仕様
MakerAudemars Piguet
ReferenceAP 7129
TypeAutomatic
DisplayAnalog
Frequency28,800 bph (4 Hz)
Jewels31 石
Power reserve52 h
Movement ⌀29.6 mm
HandsHours, Minutes
EDITORIAL · 編纂

系譜と歴史

Genealogy & history

1. 50年続いた2121からの世代交代

Cal. 7129を理解するには、母体となったCal. 7121の登場経緯を辿る必要がある。ロイヤルオーク・ジャンボは1972年の初代以来、長らくCal. 2121を搭載してきた。これはジャガー・ルクルトのCal. 920を源流とし、オーデマ ピゲ、パテック フィリップ、ヴァシュロン・コンスタンタンへ供給された薄型自動巻の系譜に連なる。中央ローターと日付を備えた当時最薄級の機構であったが、設計は半世紀を経ていた。Cal. 2121は2021年末に役目を終える。

後継として2022年、ロイヤルオーク誕生50周年に合わせて登場したのがCal. 7121である。ジャンボとして初の完全自社製基幹ムーブメントであり、直径29.6mm、厚さ3.2mm。香箱を大型化し、同等の容積でおよそ3倍のエネルギーを蓄える設計に改めた。テンプの振動数は毎時19,800振動から28,800振動 (4Hz) へ引き上げられ、パワーリザーブも40時間から55時間へ伸びた。日付の早送り機構も新たに加わっている。

2. 日付を捨てて得た2.8mm

Cal. 7129は、このCal. 7121から派生した。きっかけは、1960年の非対称モデル5159BAを現代に甦らせた[RE]Master02である。角型で左右非対称のケースに収めるには、基幹機よりさらに薄い機構が求められた。そこでCal. 7121から日付関連の部品を取り除き、厚さを3.2mmから2.8mmへ抑えた。構成部品は268点から211点へと整理され、表示は時分のみとなる。振動数とテンプ構造は基幹機を引き継ぎ、パワーリザーブは約52時間に調整された。2024年の登場以降、Cal. 7129は[RE]Master02に固有のムーブメントとして用いられている。

3. 基幹から広がるムーブメント・ファミリー

Cal. 7121は単一の完成品にとどまらず、複数の派生を生む土台となった。日付を省いて最薄を狙ったCal. 7129のほか、永久カレンダーを載せたCal. 7138が2025年、ブランド創業150周年の節目に発表された。これはジュリオ・パピ率いる開発陣が5年をかけ、全ての修正をリューズで行う機構を備える。続いてオープンワーク版のCal. 7139、角型のジャンピングアワー機Cal. 7122なども現れた。複雑機構を積み増す派生が並ぶなかで、Cal. 7129は逆に機能を削ぎ落とし、基幹の素性を最も薄い姿で示す一系統として位置づけられる。

MECHANISM · 機構と仕様

技術解説

Technical breakdown

全体構成

Cal. 7129は、直径29.6mm、厚さ2.8mmの中央ローター式自動巻である。構成部品は211点、石数は31石。表示は時分のみで、カレンダーや秒針を持たない。母体のCal. 7121から日付関連の輪列と表示部品を取り除いたことで、基幹機の3.2mmに対し0.4mm薄い、この厚さを実現している。

香箱とパワーリザーブ

動力源は単一の香箱である。香箱とはゼンマイを収める円筒部品を指す。Cal. 7121世代では香箱を大型化し、厚い壁をねじで固定する構造を採る。新たな輪列配置によって中央に空間が生まれ、支持リングなしに径の大きな香箱を置けた。これにより同じ容積で多くのエネルギーを蓄え、終盤までトルクを保ちやすい。ねじで固定された頑丈な香箱は、トルクを蓄える容器としても働く。Cal. 7129ではこの香箱を引き継ぎ、約52時間のパワーリザーブを得ている。

テンプと脱進機

調速を担うのは慣性可変テンプである。これはテンプのリムに配した錘で慣性モーメントを調整する方式で、緩急針を用いる旧来の方法に比べ、衝撃や姿勢変化に対して安定しやすい。緩急針を持たないため、歩度の調整はテンプ側で完結する。テンプは横断ブリッジ、すなわち両端で支える梁状の受けに保持される。片持ちの受けに比べ、テンプの軸が衝撃で傾きにくい利点がある。振動数は毎時28,800振動 (4Hz) で、テンプは1秒間に8回往復する。先代Cal. 2121の毎時19,800振動より高く、外乱に対する復元力が高まっている。テンプの往復を司る渦巻きバネであるヒゲゼンマイと、エネルギーを一定間隔で逃がす脱進機が、この振動を時刻へと変換する。耐震機構にはKifを備える。

自動巻機構と仕上げ

自動巻の回転錘であるローターは中央配置で、両方向の回転で巻き上げる。ボールベアリングで軸支され、外周に支持リングを要した旧世代の構造から離れている。ローターは22Kゴールド製で、非対称の透かし加工が施される。[RE]Master02では、ケースの色調に合わせてサンドゴールド色のめっきがかけられた。仕上げは、コート・ド・ジュネーブ、放射状のサンレイ、蝸旋状のスネイリング、円形のサーキュラーグレイニング、磨き上げた面取りで構成される。これらはサファイアの裏蓋を通して鑑賞できる。日付を持たない時分表示という素性は、薄さと仕上げの見せ場を両立させる選択でもある。

04 — CARRIERS · 搭載モデル一覧

このキャリバーを搭載する 1 本のリファレンス

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