デジタルの時代に、あえて針を
G-SHOCKは1990年代に若者文化と結びついて頂点を迎えたが、その勢いを支えたのは主にデジタルの四角い液晶モデルであった。アメリカのストリートやサーフ文化に取り込まれる過程で配色は一気に派手になり、デザイナーは色彩で遊ぶ自由を得たが、若者向けの主役は依然として液晶のままだった。
流れを変えようとしたのが2010年である。カシオは、それまで世に出ていない種類のアナログモデルを提示することを目標に開発を進めた。指揮したのは、廉価な定番デジタル時計 F-91W も手がけたとされるチーフデザイナーである。狙いは、ドレスウォッチの延長ではなく、新しい計器としてのアナログ面を作ることにあった。