天測時計に始まる航空計時
Seikoの航空計時は、ブランド名がプロスペックスへ整理されるよりはるか以前にさかのぼる。前身のSeikoshaは1940年前後、大型の天測時計(てんそくとけい)を手がけた。直径48mmを超える鏡胴、厚手の手袋でも操作できる大ぶりのリューズ、回転ベゼル、夜光を施した文字盤。同時代のドイツの観測時計(B-Uhr)に通じる、航法のための計器であった。旧日本海軍の航空搭乗員に支給されたと伝わり、現存数はごく少ない。第二次大戦という時代の影を負った時計であり、ここで多くを語ることはしない。ただ、空のための時計を作る技術的経験が戦前のSeikoshaにすでにあった事実は、スカイの背景として記しておきたい。